
岩倉信弥氏(本田技研工業・元常務)は30代半ばの頃、本田技研工業のデザインチームの一員として新型乗用車の制作に携わっていました。
当時の本田宗一郎社長は、そのチームに対して「もっと高級感のあるデザインを…。
君たちは、お客さんの気持ちが全然わかっていない。自分の立場でしかものを見ていない」と怒りを募らせていました。
そんなやりとりの中、限界を感じて岩倉氏は「これ以上のことはできません。そんな高級な生活をしていませんから」と自分の思いを述べたのです。
すると、本田社長は「じゃあ聞くが、織田信長や豊臣秀吉の鎧兜や陣羽織は、一体誰が作ったのだ」と問われたそうです。
大名の鎧兜をつくったのは、大名本人ではなく一介の職人たちです。
その職人が身の丈のものしか作れないのであれば、世の中に高級品など存在しなくなります。
岩倉氏は「お客様が欲するもの、必要としているものを想像せよ。
お客様のニーズにあったデザインを描き、それを形に…」と本田社長に、ものづくりの考え方を教えていただいたと自書に書いておられます。
現代社会はハイテクノロジー(科学技術・先端技術)によって、便利で豊かな生活を送るために色々な分野で開発が進んでいます。
例えば、昭和の時代には、東京から鹿児島間を日帰りで行き来することなど夢物語だったのではないでしょうか。
それが今や、新幹線を利用すると東京駅から西鹿児島駅まで約6時間、東京を基点とする新幹線路線は日帰りでの行き来が可能になっているのです。
また、地球に優しいハイブリット商品やソーラー発電、画像や文章を送受信できるネット通信やスマートフォンなどのもとを辿れば、少しでも便利に豊かな社会にと、地球に優しい環境をーーという善き想像が集結し、それが形となって現れているのです。
私たち人間には、想像するという素晴らしい力が備わっています。
この想像力の描き方が、私たちの人生を左右していると言っても過言ではないでしょう。
1つの失敗で「自分はダメな人間だ」と思わず、失敗は前進への1歩と考え、常により良い想像図を描き前向きに取り組むことが大切です。
善き想像図を描くにあたっては「社会のために、人々のために」と言う感謝報恩の心、愛と思いやりの心を忘れないようにしたいと思います。
すばらしい言葉に出会いました。
あなたの心に眠るアイデアを多くの人が待っているかもしれません。
アイディアの根源とは全てに存在しています。
道端、風、空の鏡、紅の海、そしてたわいない会話の中にも。
想像力こそが新たな知識を生み出す唯一のエネルギーなのです。
そのエネルギーを使いながら、人類は発展してきたのです。想像力は知識のエネルギーなのです。
皆さんも、そのエネルギーを使ってみてください。
いつでも、好きなときに。
(引用元:Happy one 2 vol.330, pg66〜67, 執筆者:M・Iさん, Picture from everystockphoto)
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